誰にでも大切な物や人はあり、それがなくなってしまうと悲しいと思うのは当然のこと。
しかし、中にはなくなることが耐えられない、不安で仕方ないと感じる「依存体質」の人も少なくありません。
依存体質とはどのようなもの?
そもそも依存とは、心身の健康や生活をおびやかしていると理解していても、人や物に対する執着や、行動をやめたくてもやめられない状態のこと。
依存体質は、その依存傾向が特に強い人のことを指します。
依存と聞くと、一般的にはアルコールやタバコをイメージしがちですが、次のようなタイプのものがあります。
- 「物質」に対する依存:タバコ・アルコール・薬物・カフェインなど
- 「特定の行為」に対する依存:買い物・過食・ギャンブル・セックス・SNSなど
- 「人間関係」に対する依存:恋人・友人・親子関係など
日常生活まで支障をきたすほどの状態になると「依存症」と呼ばれ、自分では止めることができなくなります。
依存体質な人の10の特徴
自分自身が依存体質であることに気付いている人もいますが、中には自分が依存していること自体に気付かない人もいます。
ここでは、依存体質な人の10の特徴をご紹介します。当てはまる項目が多いほど、依存体質の可能性が高いので注意が必要です。
寂しがり屋
一人でいると寂しいから、常に誰かと一緒にいたいと思う傾向が強く、人や物に依存して心の平穏を保とうとします。
何かに依存していると安心感を得られるものの、一人になると孤独感や不安感に急激に襲われます。「誰も私の相手をしてくれない」「自分は嫌われている」といった思いに駆られることも。
誰かと連絡を取っていないと不安
このタイプの人は、対象の相手と少しでも連絡が取れないと、不安で居ても経ってもいられません。対象は彼氏に限らず、仲の良い友達であることも。
常に相手とつながっている安心感を得たいがため、相手の都合も考えず高い頻度で連絡を取ろうとします。
承認欲求が強い
誰でも周りから認められるのは嬉しいもの。承認欲求は自分のモチベーションにもつながるので、一概に悪いものではありません。
しかし、自分に自信が持てず、誰かに認められることで自分の価値を見出している人は要注意。何かあるたびに「どう思う?」と聞き、周りからの評価を得ることでしか安心できない依存体質といえます。
ネガティブ思考
ネガティブ思考の強い人は、基本的に自分に自信がないので、自分の行動や言動に不安を感じがち。「どうせ自分なんか」「私には絶対無理」が口癖で、常に最悪事態を想定して行動しています。
そのため、相手から褒められたり優しい対応をされたりすると「こんな自分を受け入れてくれた」と嬉しく感じ、相手に依存しがち。その結果、相手が良いと言ってくれたことしかできなくなってしまう恐れがあります。
すぐ人に頼りがち
困ったことがあると、すぐに人に頼りがちな人は依存体質である可能性が高いです。
- 「どっちがいいと思う?」
- 「○○君はどうすればいいと思う?」
- 「○○してもらえないかな?」
など、依存の強い人は何でもかんでも人に頼ろうとします。問題を解決するために自分で努力をすることがないだけでなく、決断力もありません。他力本願で、自己解決スキルが低いのが特徴。
また、「頑張ったけど・・・」と同情や共感を求めようともします。
一度ハマると抜け出せない
- 趣味に没頭して大金をつぎ込む
- 競馬やパチンコなどのギャンブルにハマる
- 暇さえあればスマホゲームに時間を使ってしまう
など、何かにハマるとなかなか抜け出すことができず、飽きるまで没頭してその世界に浸ります。
また、人に対してハマると、その人のことを徹底的に知ろうとする傾向もあります。
一見情熱的で一途なようにも思えますが、同じものに固執するのは依存心が高い特徴。
恋人を束縛しがち
依存体質の人は、恋人を束縛しがちです。
- 四六時中「何しているの?」と連絡してくる
- 返信を返さないとLINEや電話が鳴りやまない
- 自分以外の異性との関わりを禁止してくる
このように、過剰な束縛で相手の行動を制限する傾向があります。
このような行動は、恋愛経験の少なさや自信のなさからくるもの。「自分だけを見て欲しい」「離れてしまったらどうしよう」という不安から依存心が強くなり、恋人が離れないよう必死なのです。
電話やLINEの返信が早い
常に誰かと繋がっていたいので、マメにLINEや電話をするのはもちろん、相手の既読や電話にも素早く反応します。
返信がないと、「まだ既読にならない」「既読無視されている」と不安になり、居ても立ってもいられなくなり、LINEや電話で催促することも。
また、相手が何をしているのか、自分を裏切っていないか不安に思っているので、行動を逐一チェックしがち。
人見知りで友達が少ない
幅広くいろいろな人と付き合える人と違い、友達が少ない人は満たされたい部分を限られた友達や恋人に求めてしまいがち。結果、相手に依存してしまう傾向があります。
そもそも友達が少ない人は、人付き合いが苦手で内弁慶。相手との距離の詰め方がわからないうえ、特定の人にしか心を開きません。
一人が苦手
一人の時間を楽しめなかったり、常に誰かと一緒にいたりしないと不安を感じます。
一人でお茶やランチをするのも苦手。
常に心を許せる人と一緒にいたいと考えるこのタイプの人は、一人で行動できないので、特定の人に依存する傾向があります。
また、このタイプの人は相手に対して常に自分に心を向けてほしいと思っています。
依存体質になる4つの原因
依存体質の人の特徴をご紹介してきましたが、そもそも生まれつき依存体質である人はほとんどいません。一体なぜ依存体質になってしまっているのでしょうか?
ここでは、依存体質になる4つの原因をご紹介します。
過去に寂しい思いをしたことがある
寂しい思いをした経験は誰にでもあることですが、特に幼少期に両親から関心を持ってもらえなかったなど、家族からの愛情を受けられなかった人は依存体質になりやすいのが特徴的。
寂しい思いをしたことがトラウマとなり、「自分の味方はいない」「いつも一人ぼっち」と考え、その気持ちを埋めるために恋人や友達に執着しがちなのです。
逆に、過度に愛情を受けた場合も依存体質になりがち。
自分に自信がない
依存体質の人は極端に自己肯定感が低く、いつも満たされない部分を抱えている人がほとんど。
しかし、基本的に自分に自信がないので、他力本願になりがちです。自分で努力するよりも、「誰かに幸せにして欲しい」「誰かに心の隙間を埋めてほしい」と他人に依存する傾向があります。
また、自己評価が低いので、誰かと繋がっていたり一緒に過ごしたりしていないと、自分の存在意義を感じられない人もいます。
視野が狭すぎる
一般的に何か1つにこだわりを持つのは良いことですが、その一方で視野が狭くなる恐れもあります。結果、執着しがちになってしまうことも。
また、人間関係においても「広く浅く」よりも「狭く深く」付き合う人の方が依存体質になりがちです。相手が恋人だけとなってしまうと、より相手を束縛して依存する可能性が高くなります。
視野が狭い原因には、幼い頃の生活環境が影響していることも考えられます。
辛い状況から逃げて楽になった経験がある
本来、辛い思いは自分で乗り越えなければならないもの。しかし、辛い時に人や物に頼って楽になった場合、それが自分にとって「心のよりどころ」になる可能性があります。
たとえば、失恋した時に頼りになってくれた人に対し、その後も「何かあったら自分を救ってくれる人」と執着し、依存してしまうことも。
ネガティブな感情からポジティブな感情への反動はかなりのもの。
依存体質から抜け出す7つの方法・治し方
依存体質は、そのままにしておくと相手との関係が悪化するだけでなく、自分自身も苦しむことになります。
そこで、依存体質から抜け出す7つの方法・治し方をご紹介します。
自分の依存体質を客観視してみる
大切なのは、「何に依存しているのか」ではなく「依存する原因は何か」ということ。根本的な原因にアプローチしなければ、依存体質を治すことはできません。
また、他人の意見ではなく、自分で依存体質の原因を考えることが大切です。
ポイントとしては、頭の中で考えているだけでは余計不安感が増す一方なので、堂々巡りにならないためにも実際にノートなどに書き出してみるのがおすすめ。
依存している対象と距離を置いてみる
シンプルな方法ですが、頼りたくても頼れない環境を作りだすのが近道。物であれば視界に入らない、手の触れられない場所に、人であれば会ったり連絡したりする時間を制限するなど物理的に離れてみるのがおすすめです。
一気に断つのは難しいので、まずはできる範囲で行うのがポイント。できるだけ長く、甘えられない環境に身を置くことが大切です。
「自分でもできる!」と気付けば依存体質からの脱却も早いもの。
自己肯定感を高める
自分に自信を持つためにも、「やればできる」という成功体験を積み重ねることが効果的。最初は「毎日〇時に起きる」というような小さな目標からでOK。成功したら徐々に目標を高く設定していくといいでしょう。
注意点として、達成できなさそうな目標や他人に左右されるような目標にはしないこと。成功体験を積み重ねることが目的なので、スモールステップを目指しましょう。
新しいことに関心を持つ
お話したように、依存体質になる原因として視野が狭すぎることがあげられます。視野を広げるためにも、新しいことに関心を持つことが大切です。
- 習い事を始めてみる
- 読書で知識を広げる
- 新しい趣味にチャレンジしてみる
できるだけ意識を分散させるためにも、1つに限定するのではなく、少しでも興味のあることには積極的にチャレンジするのがおすすめです。
いろいろな人と交流をする
依存体質の人は、基本的に人間関係が苦手な人が多いです。苦手だからこそ、特定の人に依存しがち。
色々な人と交流をして人脈を広げることで、色々な性格や価値観、感情を持つ人と接することができます。結果的に視野が広がり、依存から抜け出せる可能性が高いです。
今まで1人だけに注いできた依存を、家族や友達などに分散させてみましょう。
一人で出かけてみる
依存から抜け出せないのは、いつも頼りになる第三者が近くにいる環境に身を置いているからという理由が大きいです。その環境から脱却することが依存体質を治す近道です。
まずは、買い物など一人で手軽に行えるものからでOK。慣れてくれば、一人でカフェやランチ、ひとり焼肉などもできるようになることも。一人で出掛けていると、意外と楽しいことが分かってくるかもしれません。
大切なのは誰かに頼ることなく「一人でできる」という自信をつけること。
広く浅く依存してみる
依存体質の人は、ひとりの人や物に執着しがちです。たとえば、恋人や友達、酒やギャンブルなど何か1つのことに深く依存する傾向があります。
1つのことに熱中すると、どうしても依存度が強くなるもの。そこで、依存を弱くするために「広く浅く」依存してみるのも効果的です。
恋人に依存する人は、家族や友達など依存する範囲を広げてみたり、料理や映画鑑賞など複数の趣味に依存してみたりすると効果的。
依存体質も度が過ぎなければ問題ありません。
依存体質は治すことができる!辛くなる前に対策を取ろう
大切な人や物に依存するのは、誰にでもあることです。
しかし、「それがないと生きていけない」というまでの依存体質になると、生活にまで支障を及ぼす恐れもあります。
依存体質から抜け出すには、依存対象から物理的に距離を置くのが最も効果的。
そもそも依存は視野が狭くなっていることが原因なので、視野を広げるためにも人脈を広げたり、趣味や習いごとに没頭してみたりなど他に意識が向くようにすると改善できる可能性が高いです。